スタジオ・キャットキック

広告・販促の企画・コピーライティングを手掛ける五十畑裕詞と、猫作家・イラストレーターの梶原美穂が所属する会社です。http://www.catkick.com/

個展「世界猫曼荼羅」スタートしました! by梶原

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世界をテーマとしたにゃんだらカレンダーの原画を中心に、
クリスマスやお正月を意識した作品なども
いろいろ出品します。振り子の動きでイエス・ノーを占える
石なまけちゃんペンデュラムや、
かわいさで疲れも吹っ飛ぶツボ押し棒も新登場!
進化した石なまけちゃんたちに乞うご期待。
観光スポットいっぱいの横浜中華街のお店ですので、
遠方の方もぜひぜひ遊びに来てくださいね♪
かわいい猫とおいしい中華
心も体もあったまってください♪

 

個展開催のお知らせ@梶原美穂公式サイト「なまけ猫王国」

 

日時 12月4日(木)~14日() 11:00~18:00
   月・火曜日定休

会場 猫アートギャラリー 横浜元町「ゆめ猫」
   横浜市中区山下町124 SKハイム1F 
   
TEL/FAX:045-228-7708
   http://yumeneko.net/motomachi/
   みなとみらい線元町中華街駅出口から徒歩4分
   京浜東北線石川町駅から徒歩8分 
入場無料!



石なまけちゃんうちのコバージョン承ります!
12/4.6.7.13.14 各日14:00~18:00
基本の石なまけ料金(1080円~3780円)+セミオーダー代(540円)+送料(510円)。
お渡しまで約2週間。


猫さんの似顔絵描きます!
12/4.6.7.13.14 各日14:00~18:00
ポストカードサイズ、バストアップ、カラー(パステル&色鉛筆) 
1枚 1.080円
15分ほどで仕上がります。

案内状ご希望の方はコチラからご連絡を! 
お送りいたします♪

なまけ猫王国更新 by梶原

12月はノルウェーの猫・ノルウェージャンフォレストキャットです。
なまけ猫王国はこちらからどうぞ。

 

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とても立派な体格と、寒さに負けない厚い毛皮をまとった、堂々とした猫です。
北欧神話には、連れ去ろうとした雷神が持ち上げられなくて断念したとか
女神の車を引くのに馬代わりに使われたとか
猫としてどうなのよ?wというお話も残っているようです。

一時期、ノルのブリーダーさんと親しくさせていただいていたことがありました。
といっても、ネットでのお付き合いでお会いしたことはなかったんですが、
そこの猫様(家族としてかわいがってるブリティッシュショートヘアーさん)や、
お嫁に行った先のノルさんたちをたくさん描かせていただきました。

思うことを「なまけ猫王国・別館」に書きました。興味のある方はぜひご一読ください。


なまけ猫王国 別館

スローガン/キャッチフレーズ/タグライン の違い

 今日依頼を受けた新規案件は、某企業の某サービスのタグライン開発。この言葉、少しずつ浸透してきているようだが、一時期の「ブランド」や「インサイト」とおなじで、定義づけが曖昧になっているような。実際のところ、どうなのだろう。スローガン/キャッチフレーズ/タグラインの3つは、業界の中では使い分けがされているが、結構かぶっている部分もあるような…。

 世界的に有名なタグラインというと、NIKEの「JUST DO IT.」があるが、これはブランドスローガンと受け取ることもできる。うーん、やっぱり定義って難しいのだろうか。

 

■スローガン

 Wikipediaによれば、企業や団体の理念や、運動の目的を、簡潔に言い表した覚えやすい句・標語・モットーのこと。政治の世界でも使う用語だが、マーケティング分野では、ブランドスローガン、コーポレートスローガン、といった使い方がメインかな。ぼくは「企業やブランドの、消費者に対する約束事(私たちは、ビジネスを通じてこんな価値を提供しますよ)」と理解している。ただし、消費者に向けられるメッセージというよりは、企業/ブランド自身が自らを定義付けし、方向づけし、自らを鼓舞するために用いられる傾向が強いような気がする。

 

■キャッチコピー/キャッチフレーズ

 こちらもWikiで調べてみると、主に商品や映画、作品等の広告など、何らかの告知や宣伝に用いられる文章、煽り文句、とある。これはわかりやすい。キャッチの場合、その言葉が意味することは「セリングポイント」「ライフスタイルの提案」「意外な発見や気付きの提示」「とにかく名前だけでも覚えてね」そして「企業やブランドや商品の、消費者に対する約束事(これを買えば、こんな価値が得られることを保証しますよ)」でもあるので、スローガンはキャッチフレーズの一種である、と言えなくもないかな。

 

■タグライン

 この言葉、残念ながらWikiには項目としては存在していない。「キャッチコピー」の項目には、taglineはキャッチコピーと同義だという説明がある。海外ではそうかもしれないが、国内では別と捉えたほうがいいと思う。
 で、その定義だが、ぼくが影響を受けている経営コンサルタントの阪本啓一氏は、このように定義づけている。

タグラインはブランドが約束する価値を要約して説明するものです。

 阪本氏はさらに、タグラインと対になる概念として「バイライン」を挙げている。これは

「そのブランドが何をやっているのか・何をやりたいのか」わかってもらうことがバイラインの果たすべき役割です。ブランドやその属するカテゴリーの知名度によって違いますが、顧客のこころの中で、そのブランドが「食品」なのか「車」ポジションをはっきりさせるのです。

 と説明している。さらに、具体例まで挙げている。これがメチャクチャわかりやすい。

「ガム・デンタルリンス
バイライン:低刺激ノンアルコールタイプ
タグライン:歯周病菌とたたかう

「冷えピタ超冷却ジェル」
バイライン:新開発 熱発散ジェル
タグライン:高い熱をすばやく冷やす!

 

出典:『ブランドの授業』阪本啓一著 PHP出版

つまりこういうことだ!ブランドの授業 (日経ビジネス人文庫)

つまりこういうことだ!ブランドの授業 (日経ビジネス人文庫)

 

 

「若者のもの離れ」対策異業種会議(宣伝会議2014年12月号) by五十畑

 若年層を対象にした商品のプロモーションを企画したり制作物を手がけたりする機会は決して少なくないのだが、必ず迷うのがメディアプランニング。オンライン中心の構成を考えてみても、どこかスッキリしないことになる。だが、今回の記事を読んでかなり納得できた。おそらくスッキリしない理由は、媒体選びに気を使っていたから。そうではなく、彼らの価値観や消費の動機をもっとしっかり把握し、そこを出発点に施策を考えるべきだったから。若者だからこの媒体、この媒体だからこのツールとこの表現、というロジックは、通用しないのだと思う。

 以下、記事の概要と、ぼくが個人的に思ったことをざっくりと紹介する。

 

 

消費をしない!?若者を分析する

 キリン食生活文化研究所によるレポートを紹介する記事。一人で行動したいという衝動の背後にも、「友人への気遣い」という動機が見え隠れする。ネットではつながりたい、大きなイベントなどは一緒に盛り上がりたいと考えているのに、一方で、自分一人で誰からも干渉されることなく楽しむことを大切にする。このレポートを読んで真っ先に思い浮かんだのが、小説家・平野啓一郎が主張している「分人」という考え方。人は、接する相手によって自分を変えていく。その「変わる自分」の集合体こそが自分の本当の姿である、という考え方。これが理解できないとアイデンティティに悩むことになる。若者の「つながりたいけど一人でいたい」という傾向は、まさにこの「分人」のバランスをうまく取るための最善の方法、と受け取れなくもない。

 

私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書)

私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書)

 
「生命力」の行方――変わりゆく世界と分人主義

「生命力」の行方――変わりゆく世界と分人主義

 
空白を満たしなさい

空白を満たしなさい

 

 

「若者のもの離れ」対策異業種会議 Part 1 |ビール業界(キリンビール)×TV業界(TBSテレビ)×若者研究所・原田曜平氏の三者による鼎談

 ビールとテレビは、確かに若者離れに悩む業界の代表格。

例えばビール離れなど「○○離れ」が起きているのは事実だが、その原因は、

①社会的な消費の強制がなくなったこと(「まあ飲め」「タバコで一服しながらコミュニケーション)」

②消費の動機が個人的価値からSNS的価値に移行したこと

③納得(自分の価値観などに合致)しなければ消費しないこと

 の3つに集約されそう。以下、鼎談の中で重要と思われたことを箇条書きしてみた。各業界代表者が具体的にどんなアプローチをしているかを説明しているなど、非常に興味深い記事になっているので、ぜひお読みいただきたい。

●社会的に強制されることがなくなったため、「ビール離れ」「タバコ離れ」などが生じた

●ある消費者が20代で選択したブランドは、30代以降の消費にも影響を与えつづける可能性が高い
●若者の消費対象から外れている商品でも、イベント化されれば「参加」という形で消費してもらえる可能性が高くなる。その好例が、ビール離れの若者がなぜか多く参加し盛況の「オクトーバーフェスト」。盛況の理由は、おそらく「SNSのネタになるから」「みんなで盛り上がれるから」
●今の若者の消費傾向は「お金持ちの2代目」。生まれてからずっとある程度満たされていて、物欲が低い
●若者は、自分一人が満たされることより、友だち全体が盛り上がることのために消費する傾向がある
●若者は、納得してからでないとモノを購入しない傾向がある

 

ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体 (幻冬舎新書)

ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体 (幻冬舎新書)

 
近頃の若者はなぜダメなのか 携帯世代と「新村社会」 (光文社新書)

近頃の若者はなぜダメなのか 携帯世代と「新村社会」 (光文社新書)

 

 

 

情報病――なぜ若者は欲望を喪失したのか? (角川oneテーマ21)
 

 

僕たちの趣味、メディア、遊び —若者研 学生プレゼンテーションから—

 博報堂Consulactionセミナーで行われた、博報堂ブランドデザイン若者研究所の現役学生研究員によるプレゼンテーションを紹介している。おもしろい内容なので、ぜひご一読を。

①「なぜ若者が遊びに〈一体感〉を求めるのか」

 結論は「人間関係数の増加により、『短時間で深く』が求められるようになったため」と「会話が途切れないため(体験を共有していれば会話できる)」の2つ。いやはや、この理由は衝撃的だ…。

②「若者の趣味の〈情報源〉は何か」

 こちらの結論は、口コミがメインという想定内の結果なのだが、そこにつづく「趣味」に関する彼らのスタンスが意外。「趣味の話は友人とはしない」「趣味は個人でやるもの」というのだ。その趣味が友だちと共通でない場合、自分が主体になって話すことになってしまう、それではコミュニケーションは成立しない、ということらしい。加えて、みんながすぐには理解できないこと、みんなが知らないことを話題にするのはKY、ということにもなるらしい。ま、そういう人いるけど、よく聞いているとものすごくおもしろいんだけどねえ…。

「若者のもの離れ」対策異業種会議 Part 2|クルマ業界(トヨタダイハツ)×ガム業界(ロッテ)×不動産(三井不動産レジデンシャル)の三者による鼎談

 「今の若者はどうなのか」をひたすら掘り下げた前述記事から一転、こちらの記事はとにかく企業が模索に模索を重ねていることがよくわかる、企業寄りの内容になっている。事例として、きわめて有効だと思う。

ゲレンデ発のビッグウェーブ 若者を呼び戻した「マジ☆部」プロジェクト

19歳限定でリフト券を無料提供するキャンペーンにちょってスキー場に若者を呼び戻すことができた、という成功事例。戻ってきたバブルの頃に比べたらまだまだ少ないのだろうけれど。確かに、ここまでの記事で展開されてきた「つながりたい」「イベントで思い出の共有を」といった欲求を満たすには、ゲレンデは最適の場所かもしれない。

 

宣伝会議 2014年 12月号 [雑誌]

宣伝会議 2014年 12月号 [雑誌]

 

 

 

 

 

 

関心なくてもつい見てしまう、へーベルハウスの新聞広告 by五十畑

 一見、奇をてらった広告のようだけれど、実はこの住宅商品の機能性の高さを孫悟空というキャラクターの特性にうまく引っかけて説明をしている。機能性の高さと快適な家を建てて住むことのわくわく感というかエンタメ感というか、これらをシンプルでわかりやすい比喩で、見事に表現していると思った。家に関心がなくても、「西遊記」という物語を知っているなら誰もがつい見てしまう。そんなパワーを秘めた広告。これを提案したクリエイティブチームもすごいけど、これを受け入れた旭化成へーベルハウスの人たちもまたスゴイ。こういうアイデアは、たいてい受け入れられずに終わる運命にあるから…。

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発想するコピーライティング (Brain Books)

発想するコピーライティング (Brain Books)

 
広告コピーってこう書くんだ!読本

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ネーミングが広告だ。―「売る広告の素」岩流ネーミング作法

ネーミングが広告だ。―「売る広告の素」岩流ネーミング作法

 

 

 

RYOMA GOLFの超攻撃的挑発的破壊的広告 by五十畑

※すみません、今回から広告紹介や広告手法紹介は「である調」でやります。ご案内は「ですます調」でいきますのでご了承くださいませ。

 

 このブランド、ゴルフをやらないせいかほとんど知らなかったのだが、とにかくスゴイ。ゴルフ=さわやか+緑色+紳士、というイメージを完全に覆して、黒というカラーと攻撃的なコピー、そしてビートたけしという人選で、ブランドを尖らせることに見事に成功している。

ぶっ飛ぶぜ。RYOMA GOLF/リョーマゴルフ 公式サイト

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 もちろん、こういった方向性が多くのゴルフファンの心を打つとは限らないのだが、少なくとも一部の熱狂的なファンを生む起爆剤にはなりうる。尖ったブランディングは尖ったユーザーやファンを集める。朱に交われば赤くなる。いや、この場合は黒に交われば黒くなる、か。自然の摂理だよね。ビートたけしも、最近はあまりテレビでは着ることがなくなったYohji Yamamoto の黒のスーツ(コスチュームドムというビジネスライン)と白いカッターシャツというスタイル。ぼくの敬愛するブランド。Yohjiと言えば黒。このブランドのイメージとも合致する、ってことかな。

 今朝の日経新聞に掲載されていた商品広告も、ただひたすらに攻めている。

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商品への確固たる自信。そして、自分の腕の悪さをすぐに「このクラブが悪いんじゃないか」「このクラブが合わないんじゃないか」と思ってしまいがちな(一部)のゴルフプレイヤーたちの心理(インサイト/潜在ニーズ)に対するメッセージ/プロポジションが明確。こだわりぬいているが、とにかく直球。こういう広告、久しぶりに見た。これが許されるクライアントは少ないからなあ。ぼくもこんな仕事をやってみたい!!

 

 

BROTHER [DVD]

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北野・ざんまい! ~北野武監督作品DVD全集~

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菊次郎の夏 [DVD]

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余生 (ソフトバンク文庫)

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間抜けの構造 (新潮新書)

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北野武の作品はこちら。ぼくの好きな映画は「Dolls」。

 

ついでに

山本耀司。モードの記録。 モードの意味を変えた山本耀司の足跡を探して。

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MY DEAR BOMB

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服を作る - モードを超えて

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おまけに、役に立つ、わかりやすいブランド入門の本。

つまりこういうことだ!ブランドの授業 (日経ビジネス人文庫)

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