某大手印刷会社 展示会配布用マーケティング小冊子 by五十畑
「コレ、一生忘れないだろうなあ」
この案件の、終了直後に思ったこと。それくらい、内容も進行も感慨深いものがありました。
肝心の内容ですが、クライアントは某大手総合印刷会社。当社がいつもお世話になっている会社で、近年は非印刷系案件も増えているご様子です。
2018年のある日、クリエイティブ部門とマーケティング部門の方から相談を受けました。せっぱ詰まった表情で。ご要望は、こんな感じでした。
「展示会のブースで、当社のマーケティング力をアピールするための小冊子を配布したい。後半は当社が実際に受託した事例紹介で、これは内部で作成する。御社には、前半をお願いしたい。セールスプロモーションの基礎知識やトレンドについて、ハウツーっぽい感じでまとめてほしいのだが」
制作期間はわずか2週間。当社は3日でこの「前半」の原稿を書く必要が…。資料を集めたり取材したり、という時間はほぼありません。自分の頭の中にあるマーケティング/プロモーションの知識を、クライアントの事業内容とある程度リンクすることを意識しつつ、大盤振舞いで大公開! そんな勢いで書きました。初稿アップ時は、時間がなさすぎて推敲をしていません。こんなこと、初めてですよ。
タイトルは、こんな感じ。(ご紹介するにあたり、少し変えてます)
「プロモーションをグイグイ成功させるための たった6つの超原理」
見開き1テーマで、6つのテーマ/コンテンツを展開しました。(以下も、少し変えています)
- 出発点は、買い手の「心」に埋もれてる!(買い手にフォーカスしたプロモーション企画について)
- トレンドは、量でも質でも把握する!(トレンドの見極めと販促への生かし方)
- お客さまとの関係づくりは「理想」を描くことから!(エンゲージメント、ライフタイムバリューの最大化について)
- 魅せるための戦略をつくろう!(戦略的プロモーション企画の計画例)
- 情報システムを使ってプロモーション!(オムニチャネル展開)
- テクノロジーを味方につけよう!(時代の変化とプロモーションの関係について)
正直に言うと、納期に間に合わせた安堵感を感じた一方、内容面で大きな不満と後悔が残りました…当時は。今見ると、わりとよくできてるじゃん…という感じが、しないでもない。ま、時間が経って客観的に見ることができるからでしょう。
つくった本人の複雑な想いとはウラハラに、展示会のブースではこの冊子を持ち帰る人が続出。あっという間になくなってしまったそうです。うれしかったなあ。
制作物データ
- 制作期間:約2週間(ライティングは3日)
- 当社受託:小冊子前半16ページ分の台割構成、コピーライティング
- ツール仕様:210×210mm、40ページ
マーケティングについては、日々学びつづけています。その積み重ねが、なんだか不思議なカタチで生かされた案件でした。
それでは、See you!
某大手美容サロン 総合パンフレット制作 by五十畑
今回は制作案件、パンフレットの事例です。
クライアントは、某大手美容系企業。男性向け・女性向けの両方を展開していて、TV-CMやTV番組への商品提供・技術提供も積極的に行っています。いわゆる「コンプレックス商品」です。ターゲットとなるのは、身体・容姿のコンプレックス解消を求めている方。非常にデリケートなカテゴリーです。
そしてクライアントからのオーダーは、あるコンプレックス分野における男性向けの全商品・サービスを網羅した「総合パンフレット」の制作提案。コンペ案件でした。
この企業の基本の集客モデルは、以下のような流れになっています。
- Webやマス媒体に広告を出稿
- 公式サイト、あるいはランディングページへ誘導
- 無料資料請求を受付
- 資料(今回のパンフレットおよびその他の販促ツール)を送付。しっかりお読みになっていただく(+メール、電話でフォロー)
- フリーダイヤル、あるいはWebで無料体験を受ける
- 気に入っていただけたら契約し、サービス利用開始(数万円〜数十万円/年)
したがって、パンフレットの役割は明確。ズバリ、「サロンへの誘導」です。しかし、過去に制作したパンフレットは、この機能が徹底されていませんでした。「すべてを明かさない」「わからないことを多くすることで、問い合わせやサロン来店時の質問につなげる」という方針だったようですが、これではコンプレックスを抱えたお客さまの不安はまったく解消されません。
そこで、私の参加したチームはこのようなテーマを掲げました。
「お客さまの不安をなくし、サロンに最高のパスを渡せるパンフレット」
具体的には、以下のような方針を設定しています。
基本方針案
- パンフレットだけで、最低限の基礎知識および商品知識を得ることができる(お客さまが、パンフレットだけで希望するサービスの候補をある程度絞り込むことができる)
- 公式サイトよりも詳しくて、お客さま目線から説明した理解しやすい内容に
- 事例を豊富に掲載し、掲載内容に自己投影しやすくする(自分事化)
- 「わからないから質問したい」ではなく、「やってみたい・試してみたいから、もっと聞きたい・もっと知りたい・予約したい」と思えるようにする
- しかし、ブランドイメージはしっかり維持する。お客さまにこびるようなことはしない。
この方針で提案し、見事にコンペ採用。事例取材や商品・サービスのよりわかりやすい表現の模索、理解しやすさを促進するための基本フォーマットの構築など、課題が山積みの案件でしたが、最終的には満足できる仕上がりに。これまで使用していたパンフレットより、資料請求者数・サロン来訪者数ともに増加しているとのこと。うれしい限りです。
制作物データ
- 制作期間:約6ヶ月
- 当社受託:コンセプト、台割構成、コピーライティング(全ページを担当)
- ツール仕様:A4判、約40ページ
当社(というか五十畑)は、パンフレットのコンセプトや全体構成の作成・提案には定評があります。しかし、もっとおもしろいもの・未知のものにも積極的に足を踏み入れ、さらにスキルを高めたいと考えています。
それでは、See you!
某化学系企業 カレンダー中期コンセプト提案 by 五十畑
しばらく放置しておいたこのブログですが、再開です。ま、どれくらいの方に見ていただけるかわかりませんが。…って、ログ見ればページビューはわかりますけどね。
今後は、受注した「ちょい変化球な案件」もご紹介できればと思います。企業名は基本的に伏せさせていただきますね。伏せておいても、ここに書くのは絶対にアカン、という案件も正直ありますが…。
で、今回は受注案件のご紹介。カレンダーのプランニングです。
某印刷系制作会社からこんな依頼をいただきました。
突然、ほとんど接点のない企業から2021年以降のカレンダーのあり方について提案してほしいと言われた。カレンダーのトレンドについて知りたいし、正直言って、カレンダーで何を表現すればいいのかもノープランだそうで。いっしょに考えてください!
いただいたご指示は、これがすべて。とらえどころないなー、と思いました。ワクワクしながら、ですが。
新規のお取引先ということなので、ご指示通りのご提案にしたほうがよさそう。でも、それだけじゃダメ。プラスαの価値をご提供できないと。でも、それがカレンダーという媒体にとって蛇足になってしまってはダメ。おそらく「付け足す」のではなく、「掘り下げる」が正解かな。ということで、企画の穴掘りをせっせと始めました。
▼関係ないですが。
提案書は、2部構成にしました。
【第1章】カレンダーのトレンド
そんなもの、存在するのか…と思われるかもしれませんが、企業が販促物として作成するカレンダーに関して、確かに存在します。キーワードは、以下の3つ。
・「コーポレートブランディング」…理念や目指している方向性を表現できる絵柄やテーマ設定になっていること。
・環境…環境に配慮した紙・インク・製本方法などを使っていること。
・機能…当然ですが、月日曜日部分(専門用語で「玉」といいます。ニヤニヤ)が見やすいこと。スケジュールを書き込んで使う人のことを、ちょっとだけ考えていること。(美観を損ねてはダメだと思います)
これらについては、統計データもあります。『カレンダー年鑑」(日本印刷新聞社)に記載されています。ちょっとお高いですが…。Amazonでは最新版の扱いがないようです。
【第2章】テーマ展開案
企業理念、中期経営計画などを徹底的に読み込んで(結構勉強になりました。おもしろいです。よくわからん化学系技術の話もたくさん出てくる。化学とICTが密接に関係していたり、ICTやモビリティの可能性を化学が拡げていたり)、キーワードを抽出。そこからこの企業が考えていることを経営理論ではなく、ちょっと抽象的な、あるいは生活レベルでの「感覚」として理解しなおしました。この視点、重要です。そうしないと、理念の範疇から一歩出ることができない。カレンダーを受け取る人のほうに歩み寄れないというか、メッセージとして伝わりにくくなるというか。
こうして3つのテーマを開発し、それぞれに合いそうな絵柄の方向性のメモまで付けて、ひとまずフィックスです。具体的な絵柄の例は、今回の依頼主である印刷系制作会社のカレンダー部門が選びます。膨大なストックとネットワークがありますからね。古今東西の美術に精通しています。
今回は、ちょっと変わった企画案件をご紹介しました。…でもこういう案件は意外に多いのです。当社はテーマ/コンセプト開発も得意としています。悩んだら、ぜひ声をかけてください。
それでは、See you!
ねこ酒デビュー!/出版のお知らせ by梶原
この度、私の猫イラストラベルのお酒ができました!!
その名も「ねこ酒 猫花見月」と「ねこ酒 苹果猫」。
保護猫カフェを運営する、ネコリパブリックさんからお話をいただきました。
さくら猫とりんご猫を広めるためのお酒で、それぞれ売上の10%が運営費に充てられます。
自分の得意分野で猫助けに貢献できるなんて、本当に嬉しい!
ネコ市ネコ座でデビューです!
まずは「猫花見月」(京都 初日の出 純米吟醸)。
TNR活動(捕獲Trap 避妊去勢Neuter リターンReturn)を知ってもらうきっかけになればいいなの思いを込めたお酒です。
ラベルイラストの猫たちの耳は、全員さくらの花びらのようなV字カットです。
これは、避妊去勢を済ませた印で、さくら猫とよばれています。
一代きりのちいさな命として、あたたかく見守っていきましょう!
もうひとつは「苹果猫」(滋賀 富鶴 純米吟醸)。
りんごねこ、と読みます。
ネコリパブリックさんでは猫エイズウイルスキャリアの猫たちをりんご猫とよんでいます。
エイズというヒビキはコワイですが、人には移りませんし、一生発症することなく、元気で天寿を全うできることも少なくありません。
そんな猫エイズに対する偏見をなくすようにと名付けられました。
なお、残念ながらりんごは入っていません(笑)
『楽しみながら、猫助け』がテーマのネコ市ネコ座は3/20-21です。
お近くの方はぜひ!
めちゃめちゃおもしろそうですよ〜♪
ついこの間お正月だったのに、早いですねー。
なまけ猫王国→http://www.catkick.com/namake/
3月の猫文字は「楽」。
楽しく遊んでる猫たちを散りばめました。
カバラ数秘術では、1が男性、2が女性を表していて、3は子供なんだそうです。
だから楽しく陽気で明るいイメージなんだとか。
ついでに三角は、エネルギーを集めて放出するというような強〜い形だったりもします。
あらゆる命が生まれる3月、数字の意味ともリンクしていておもしろいです。
関係ないけど3月生まれの人って、無邪気でかわいらしいイメージありますね。
根拠の無い、あくまでイメージですけれど。
さてさて、4/6に念願の本が出版されることになりました!
にゃんだらの塗り絵本です。
10年地道に描きためておいてよかった〜!
120匹位いる、どーやって塗るんだ!?的な難易度MAXのものから
ラクラク塗れちゃうお気軽タイプまで、40作品がぎゅぎゅっと詰まってます。
描きおろし作品もありますよ。
まだいろいろとチェック中ですが、猫柄見本とか塗り方のポイントとかも掲載予定です。
どうぞお楽しみに!
↓画像無いですが、ご予約も受付中です。
癒しの塗り絵 ねこマンダラ
11/7(土)より、個展「なまけ猫王国」スタート! by梶原
本日、会場に飾り付けに行ってきました。
毎回毎回、会場が埋まるかドッキドキなのですが、今回もどうにか形になりました。
ライティングがまだですが、こんなかんじ。
いろいろ新作を取り揃えてみなさまのお越しをお待ちしております。
7日の初日は11時から会場にいます。
11月7日(土)~15日(日) 11:00~18:30 月曜日定休
「ギャルリ カプリス」
東京都品川区上大崎2-24-13目黒西口マンション801
TEL:03-3495-1377
入場無料!
詳しくはこちら→http://www.catkick.com/namake/kokuchi/1511kotenkokuchi.html
なまけ猫王国更新。/実演イベントのお知らせ by梶原
なまけ猫王国→http://www.catkick.com/namake/
猫はなかなか柔軟性があるというか、マイペースというか、他の動物ともうまく共生できるように思います。
(猫同士のほうがかえって難しかったりするのかも)
犬よりは少ないですが、亀と一緒に飼ってるよ、という方にもよくお会いします。
花ちゃんのお母さん猫は、部屋の中で迷子になったハムスターを見つけ出して、大事に運んできてくれたことがあるそうです。
我が家は長年鳥と同居していますが、今のコも先代のコも仲良くしていました。
先代のシャム猫ぺるさんは、保護したヒヨドリの雛を献身的に看病して(同じダンボールに入って暖めつつ舐めてやったり!)、更に飛ぶ練習にも付き合って、落下地点で人に踏まれないように守っていたりもしました。
今一緒に暮らしている麦とインコのぷちぷちは付かず離れず。
さすがに同じ部屋で放し飼いというのはリスクが大きいので断念してますが、仲は悪くないようです。
共にひなたぼっこを楽しんだり
小さな写真しかありませんが、花子ちゃんなんか先代インコのうりゃうりゃと
カゴの内側と外側から同じ青菜を齧る仲でした。
(HPトップ・過去のワタクシの一番下に写真あり)
種を超えて仲良くしてくれる猫ですが、彼らにとって、人間がいちばん信頼できる友人であり、家族でいられるといいなと思います。
9/19〜23、横浜元町のゆめ猫さんにて実演&ミニ個展させていただきます。
石なまけのセミオーダーや、猫さんの似顔絵描きを承ります。
秋の連休、中華街も楽しいですよ。
ぜひ遊びにいらしてください♪
宣伝会議の無料特別セミナーに行ってきました by五十畑
講師は、元電通・特命顧問の白土謙二氏。テーマは、「企業課題解決の奥義」でした。
このセミナーは、宣伝会議が11月より有料・全6回で展開する「企業課題を解決するクリエイティブ実践講座」の体験セミナー/説明会を兼ねたもの。無料ゆえに事例やワークショップこそないものの、考え方を学ぶには十分すぎるくらい充実した内容でした。
白土さんは、企業の問題解決までの手順を以下の4段階に分割しています。
分割の仕方自体は目新しいものではありませんが、各段階における基本姿勢はユニークなものでした。
また、「狭義のマーケティングはクリエイティブではないが、マーケティングとは本来、全企業活動をさすものであり、そのプロセスは、すべてがクリエイティブな行為」と断言し、クリエイターの課題解決における役割や考え方、基本姿勢を各段階ごとに詳しく説明。これが非常に有意義でした。気になる方は宣伝会議の本講座を受けるか、あと数回あるらしいこの講座の無料特別セミナーを受けるとよろしいかと…。
グッジョブが生まれる場所 電通デザイントーク【ミニッツブック合本版】<「電通デザイントーク」シリーズ> 電通デザイントーク合本版 (カドカワ・ミニッツブック)
- 作者: 田村大,白土謙二,大友啓史,高崎卓馬,永井一史,福島治,並河進,嶋浩一郎,樋口景一
- 出版社/メーカー: ブックウォーカー
- 発売日: 2015/03/19
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る