スタジオ・キャットキック

広告・販促の企画・コピーライティングを手掛ける五十畑裕詞と、猫作家・イラストレーターの梶原美穂が所属する会社です。http://www.catkick.com/

掟破りなアイデアを提案するということ by五十畑

 Yahoo!ニュースで、「中吊り広告をサメが食べちゃった」という情報が取り上げられています。

headlines.yahoo.co.jp

 確かに素晴らしいアイデアですよね。「目からうろこ」的な意見がネットで飛び交っています。でもでも…実はこういう方向のアイデア、クリエイター的には決して誰も発想できないようなことではないと思います。優秀な人なら、きっとここにたどり着ける。私はどうか、と言われるとわかりませんが(笑)。

 この広告がスゴい点は

 

  1.  商品特徴を的確かつ強く目を引くかたちで表現できている。
  2.  規定されている媒体の仕様をはみ出してデザインされている。
  3.  印刷・加工などの手間を度外視してアイデアを優先させている。

 

 の3つだと思いますが、特にスゲエのが2と3。この2つ、実はクリエイターにとって大きな問題になりがちなのです。

 クリエイターにとって問題なのは、こういった掟破りな発想ができるか否かに加えて、実現できるか否かだと思います。これは個人的な意見ですが、仕様からはみ出した提案や今までになかった提案をしても、とにかくツブされてしまうことが多い。「可読性が悪い」「いたずらと思われる」「手間がかかる」「予算がかかる」「媒体社に確認したり交渉したりしないと」などなどの意見や大人の事情が壁になって、最終的には実現できないのです。こんな経験が繰り返されると、クリエイターの多くは、こういうアイデアを提案すること自体がイヤになってしまうか、提案すること自体(の意欲やおもしろさ)を忘れてしまうクリエイターは、決して少なくない。

 この企画の発想力と実現させたエネルギー、尊敬に値します。