スタジオ・キャットキック

広告・販促の企画・コピーライティングを手掛ける五十畑裕詞と、猫作家・イラストレーターの梶原美穂が所属する会社です。http://www.catkick.com/

某化学系企業 カレンダー中期コンセプト提案 by 五十畑

 しばらく放置しておいたこのブログですが、再開です。ま、どれくらいの方に見ていただけるかわかりませんが。…って、ログ見ればページビューはわかりますけどね。

 今後は、受注した「ちょい変化球な案件」もご紹介できればと思います。企業名は基本的に伏せさせていただきますね。伏せておいても、ここに書くのは絶対にアカン、という案件も正直ありますが…。

 

 で、今回は受注案件のご紹介。カレンダーのプランニングです。

 某印刷系制作会社からこんな依頼をいただきました。

 

 突然、ほとんど接点のない企業から2021年以降のカレンダーのあり方について提案してほしいと言われた。カレンダーのトレンドについて知りたいし、正直言って、カレンダーで何を表現すればいいのかもノープランだそうで。いっしょに考えてください!

 

 いただいたご指示は、これがすべて。とらえどころないなー、と思いました。ワクワクしながら、ですが。

 新規のお取引先ということなので、ご指示通りのご提案にしたほうがよさそう。でも、それだけじゃダメ。プラスαの価値をご提供できないと。でも、それがカレンダーという媒体にとって蛇足になってしまってはダメ。おそらく「付け足す」のではなく、「掘り下げる」が正解かな。ということで、企画の穴掘りをせっせと始めました。

 

▼関係ないですが。 

花咲く乙女よ穴を掘れ

花咲く乙女よ穴を掘れ

 

 

 提案書は、2部構成にしました。

 

【第1章】カレンダーのトレンド

 そんなもの、存在するのか…と思われるかもしれませんが、企業が販促物として作成するカレンダーに関して、確かに存在します。キーワードは、以下の3つ。

・「コーポレートブランディング」…理念や目指している方向性を表現できる絵柄やテーマ設定になっていること。

・環境…環境に配慮した紙・インク・製本方法などを使っていること。

・機能…当然ですが、月日曜日部分(専門用語で「玉」といいます。ニヤニヤ)が見やすいこと。スケジュールを書き込んで使う人のことを、ちょっとだけ考えていること。(美観を損ねてはダメだと思います)

これらについては、統計データもあります。『カレンダー年鑑」(日本印刷新聞社)に記載されています。ちょっとお高いですが…。Amazonでは最新版の扱いがないようです。

カレンダー年鑑 2018年版

カレンダー年鑑 2018年版

 

 

 

【第2章】テーマ展開案

 企業理念、中期経営計画などを徹底的に読み込んで(結構勉強になりました。おもしろいです。よくわからん化学系技術の話もたくさん出てくる。化学とICTが密接に関係していたり、ICTやモビリティの可能性を化学が拡げていたり)、キーワードを抽出。そこからこの企業が考えていることを経営理論ではなく、ちょっと抽象的な、あるいは生活レベルでの「感覚」として理解しなおしました。この視点、重要です。そうしないと、理念の範疇から一歩出ることができない。カレンダーを受け取る人のほうに歩み寄れないというか、メッセージとして伝わりにくくなるというか。

 こうして3つのテーマを開発し、それぞれに合いそうな絵柄の方向性のメモまで付けて、ひとまずフィックスです。具体的な絵柄の例は、今回の依頼主である印刷系制作会社のカレンダー部門が選びます。膨大なストックとネットワークがありますからね。古今東西の美術に精通しています。

 

 今回は、ちょっと変わった企画案件をご紹介しました。…でもこういう案件は意外に多いのです。当社はテーマ/コンセプト開発も得意としています。悩んだら、ぜひ声をかけてください。

 

 それでは、See you!